本ブログのタイトル「プレ老後ライフは貴族趣味」というタイトルを見て何となく立ち寄って下さった方には申し訳ないが、この記事のテーマは「歌舞伎揚」であることをまずお詫びしたい。
「貴族趣味」と謳っているので、ブログの全体的なイメージには気を付けている。
個人的には「ちょっと気取った(スカした)感じ」である。
だからまだ始めて間もないのに「歌舞伎揚」というワードを出すことによって、ブログのイメージや方向性が意図しないものになってしまうリスクはあるだろう。
これは単に言葉だけのことではなくて、日常生活でも「歌舞伎揚」は食べないようにしている。
だからスーパーやコンビニに行っても「歌舞伎揚」の商品棚の前はすばやく素通りするようにしている。
ところが最近、心底驚いた事件があった。
驚いただけでなく恐怖と怒りで2日間ほとんど食事もできず、眠れなかった。
3日目の夜コンビニに立ち寄った。
私は一片の迷いもなく真っすぐにスナック菓子のコーナーに向かい、天乃屋製「歌舞伎揚11枚」の袋を手に取った。
そして次の日の朝までに8枚は自分、3枚は相方という配分で食べ切った。
今から遡って「歌舞伎揚」を最後に食べたのは3年前だった。
その時と現在に共通するのは「極度のストレス」だ。
3年前は仕事絡みのストレスで、収束するまでの2か月間は「歌舞伎揚」を2日に1袋のペースで食べていた。
ある日、こっそり食べているところを仕事関係者に見られてしまうというミスを犯した。
たった一度の失策によって「歌舞伎揚が(相当)好きな人」というおよそ「貴族趣味」とはかけ離れたレッテルを貼られ、それからしょっちゅう「歌舞伎揚」を差し入れされるようになった。
そんな苦い思い出もあって以来「歌舞伎揚」には近寄らないように心掛けてきた。
ここからようやく本題に入る。
しかし禁断の「歌舞伎揚」に何の躊躇もなく手を出してしまった原因となった「恐ろしい事件」を綴る前に、20年以上も前に人から聞いた話について書かせていただこうと思う。
それは「驚き」「恐怖」「怒り」が MAX になり「アラーム」が鳴り響くという意味で共通している。
それは、とあるミステリ作家(男性)が実体験として語った事件だ。
彼はある日イベントか何かがきっかけで30代前半くらいの女性に話しかけられたそうだ。
「実は私には難病と闘っている歳の離れた高校生の妹がいて、〇〇先生の大ファンなんです。」
その妹さんが来月大きな手術をするので姉として何か喜ぶことをして励ましたいから、お願いですから電話でいいので、話をしてくださいませんか?というような内容だった。
作家は必死な様子に同情して入院中の妹さんと電話で話すことを承諾した。
そして実際に会話をしてみると弱弱しい声ながらも「本当にうれしいです。ありがとうございます」と女子高生らしく喜んでいたので「ああよかった」と安心したそうだ。
ところが、それからしばらくすると姉から再度連絡があり、妹の病状が悪化している、懸命に頑張っているから、また電話で話をしてやってくれないか?と懇願された。
そしてその後も何度か病魔に苦しむ妹を電話で励まし続けた。
少しでも病状を理解したいと思い、妹が患う病についての本も読んだそうだ。
しかし、である。
ある時、作家は「何か」引っ掛かるものを感じたそうだ。
直感的なものだったという。
意を決して調査会社に依頼して、「姉妹」についての情報を報告させた。
その結果とんでもない事実が判明した。
「姉」は確かに30代の既婚者(主婦)だった。
問題があったのは「妹」の方だった。
「妹」は存在しなかったのだ。
でも作家は何度も「妹」を会話をしている。
実際に「声」もしっかり聴いた。
確かに「姉」とは違うティーンエイジャーの声だったそうだ。
真実は単純で、要するに「姉」が迫真の演技で「一人二役」をしていたのだった。
作家に対する「異常なファン心理」が昂じて、作家に近づくために起こした事件だったとしか考えられない。
その時の心理状態は極度の「驚き」→「恐怖」→「怒り」だったと語ってくれたのをよく覚えている。
さて現在の自分だが、あの時聞いた「驚き」→「恐怖」→「怒り」とはこのようなものだったのかもしれないと実感するような出来事に遭遇してしまった。
その作家が遭遇した事件が「リアル」で起きたのは違って、今回の出来事は「インターネット」の世界で起きたというところに4半世紀近い時間の経過を感じる。
長くなったので本記事はここまでにして、私の「歌舞伎揚アラーム」が極めて高い異常値を示した今回の事件については記事を改めさせていただこうと思う。