クラシックのマス化と「ヴァンクリーフ&アーペル」の反比例

アクセスが急増した記事

このブログは各カテゴリー複数「テーマ」による「雑記ブログ」だ。

でもアクセス数獲得を狙って作ったブログではない。

むしろ「アクセスを稼げないネタ」=「あまり読んでもらえない記事」をあえて集めている。

また、時々「日記」や「コラム」的な記事も格納している。

設定が「ジェンダーフリー」なので、同じ属性の読者に対する「共感」をベースとしたアプローチもしていない。

prerougolife.hatenablog.com

以前失敗したブログのように毎日「常駐」してコメント欄を埋め尽くす粘着的な人も来ない。

ここ最近のアクセスは約8割が検索サイトからで、そのうち約9割がブーニンの記事だ。

以前は検索からの流入では『鎌倉殿の13人』の登場人物関連記事が多かった。

それが11月はずっとほぼ「ブーニン」。

prerougolife.hatenablog.com

別に当該記事が Google の AI に「評価」されたからというわけではない。

インターネット上にブーニン氏についての「有用」なページが比較的少ないからであって、決して私の記事の質が高いとは言えないだろう。

でもそろそろ「ブーニン」と検索する人も減ってきたようだ...

 

やっぱり「マス」だったブーニン現象

このニッチなブログに起きた上記の現象から分かったことがある。

NHK(BS!)でドキュメンタリーの放送があったブーニン氏について「検索」をしている人が非常に多かったということだ。

クラシック音楽というのは「ニッチな市場」だ。

最近の若手でアイドルっぽい、結構注目されているクラシック界音楽の演奏家でも、インターネット上での検索数はそれほど多くない。

でも一部の「熱狂的」なファンが存在する、まさに「ニッチ」ワールド。

しかし「ブーニン」というピアニスト、そして

バブル時代の「ブーニン現象」

というのは、やっぱり「ニッチ」じゃなくて

「マス市場」

だったのだ。

クラシックの演奏家で真の「マス」になった演奏家は少ない。

ブーニン氏ともののけ姫』の歌手、カウンターテナー米良美一氏だけではないか?

いやブーニン氏と米良氏が双璧で、次が千の風になって」秋川雅史氏だろうか?

この3人についてはちょっと面白い点がある。

1985年ショパンコンクールに優勝したスタニスラフ・ブーニンの日本における「フィーバー」は翌年以降に始まった。

米良美一氏が主題歌を歌って一世を風靡した『もののけ姫』が1997年

そして「千の風になって」のメガヒットが2006年

つまり約10年毎に「クラシック業界」から「マス市場」に上り出た人がいことになる。

しかし、2016~2017年頃にはそうした現象は起きていない(と思う)。

これについては改めて考察してみたいが、クラシック業界は「オワコン」いやこれからも「ニッチ」を極めていく市場なのだろうか?

 

「ニッチ」が育たない予感...

テレビ番組をきっかけとして「ブーニン」についての検索数が多かった理由として、世代の人口という点が大きいかもしれない。

つまり1980年代後半のブーニン・フィーバー」の主体は、団塊世代〜バブル世代だろう。

人口比率から見ても分厚い世代だから、検索している人も多いのだ

中高年世代をボリュームゾーンとする「マス」の存在感を改めて感じさせられる出来事だった。

さてマーケティングにおいては、

「スモールマス(大きくはない市場)」「ニッチマス(小規模市場)」を狙え!

というのが時代のすう勢で、そこから市場を拡大していく戦略が主流のよくだ。

しかし、何というか、今の日本は、そこから「マス」になるという夢が見えにくいと思う。

2000年代以降、クラシック業界という「スモール/ニッチ」から「マス」になった人がいないという上記の話も、これと相関関係がある気がする...

「ニッチ」が「マス化」するには大きな「勢い」「うねり」「パワー」みたいなのが必要だ。

でもそういう「熱」は今の日本には感じない...

 

ヴァンクリーフ&アーペルの集い?

先月の「日記的記事」に書いていた買い物がまだ終わらず、今月も相変わらず新宿三丁目辺りの行ったり来たり繰り返している。

ある日、お昼時にかかってしまったので、伊勢丹の中のオーガニックカフェに入った。

この店のランチは2000~4000円位だ。

マクドナルドの400円のランチでも別に構わない自分からすると高く感じるが、いつも「満席」で入れない。

「オーガニックカフェ」はそれでも最近注目されていて人気がある。

その日は10分ほどの待ち時間で入店できた。

注文した食事がサーブされるまで「マーケ」的な視点で、店内をぼんやり眺めていた。

お客さんの6割以上が「女性客」であることは驚くことではない。

しかしその女性客の6割以上が

「まったく同じデザインのヴァンクリーフ&アーペルのネックレス」

を付けていたのはちょっと驚いた。

一瞬、

「ヴァンクリーフ&アーペル愛好家の集い」

に紛れ込んでしまったのかと思った...

このメゾンのアイコン的意匠ではあるが、極めて「フェミニン」なデザインのプロダクトだ。

この光景は「オーガニックカフェ」の主要な客層が「固定化」していることを感じさせた。

同じような年齢の、同じような生活水準の、同じ性別の、同じ価値観を持った人たちが集結した「オーガニックカフェ」。

そこには「多様性」を感じない...

翻って「ブーニン・フィーバー」を思い出してみると、そこには「若い女性」もいれば「おじさん」もいた。

もののけ姫』の主題歌で盛り上がっていた人たちもあらゆる年齢層に及び、多様性があった。

「ニッチ」が「マス」になるのに必要な「勢い」「うねり」や「熱」もあった。

現在の日本では「多様性」によって拡大する市場は、もはや「スポーツ」だけかもしれない...

今週、ワールドカップが開幕した。

日本代表が熱いプレーで雰囲気を盛り上げたら、熱いうねりが巻き上がるだろうか?