これは3年くらい前に描いたもので、その前に描いたのはそのまた数年前だった。
この後、続けて猫と馬ばかり描いていた。
何枚か後のものの方がもう少し精緻に描けている気がするが、これがいちばん猫の個性と自分のクセが出ている気がして気に入っている。
「デッサン」というよりも「似顔絵」に近いかもしれない。
猫を描く場合はじっとしていてくれないから、写真を撮ってそれと実物を見比べながら描く。
私が「そこそこ」続けている趣味をグループに分けるとするといくつかの分類ができると思う。
・インドアか、アウトドアか
・費用がかかるか、かからないか
・積極的にやりたいか(意欲的)、暇つぶし程度か(消極的)
etc.
こうした観点から見ると「デッサン」(と一応呼ばせてもらうが)という趣味は一度も先生に習ったことはないし、費用もほとんどかからない。
暇つぶしのようなものだ。
元来アウトドア派で、コロナ禍という前代未聞の事態になるまでは、仕事以外で長時間室内でじっとしているのは苦痛なタイプだった。
それなのに時々憑りつかれたかのようにひたすら絵を描きたくなることがある。
以前しょっちゅう出歩いていた頃も、突発的にスイッチが入ると無印良品のスケッチブックに向かって鉛筆一本握りしめて何時間も描き続けていた。
スイッチが入ると書いたが、それがどんな時かというのは自覚している。
何かしら心の中にもどかしいことがある時だ。
何も考えないで一心に鉛筆を握っているとある日、憑き物が落ちたようにすっきりした気分になる。
それからしばらく(期間はケースバイケースだが)すると、不思議なことに現実世界の問題にそれまで思いもしなかった解決の糸口が見えてくる。
そのメカニズムはまだよく分かっていない。
人に対して自分の意見や好きなものをゴリ押しするのは大嫌いだ。
でも誰かが自分ではどうにもできないことで悩んでいたら「デッサン」はひそかにおススメだと思っている。
そんな理由で、非常に細々と消極的ではあるが、やめられない趣味のひとつだと思う。