詐欺・勧誘電話に使える「マイナー言語」撃退法

1日中デスクワークをしなければならない憂鬱な日もある。

そんな時に限って、スマホに新規のセールス電話なんかがかかってくる。

「もしもし?○○様のお電話でしょうか?」

こういう時は決して、

「そうですが」

などと言ってはならない。

「ドチラサマデスカ?ドチラサンマ?」

とたどたどしい日本語で答える。

すると相手は再度、

「○○様のお電話では?」

と言ってくる。

スピーカーにして、手際よく相手の番号をPCで検索する。

なにしろ、こっちはデスクワーク中なのだ。

「不動産投資系のしつこい勧誘電話です(怒)」

と親切な誰かが書き込んでくれている。

どこから名前や電話番号が流出したんだよ!と腹立たしい。

発信者を突き止めている時間は、沈黙が流れる。

まるでこっちが無言電話でもしてるみたいだ。

 

やがて相手は焦ってきて、

「もしもし?もしもし?聞こえていますか?」

と言ってくる。

ここで「外国語」の出番だ。

つまり私は外国人になりきる。

まずは外国語でつぶやき、舌打ちする。

「何を言ってるのかわかんない!えっ?」

そして外国語で畳みかける。

「何言ってるのかわかんないって、言ってるんですよ!」

今までいろんな言語で試したみたが、英語や中国語ではダメだ。

逆に、相手が流暢だったりする可能性が排除できない。

フランス語とかイタリア語のようなマイナー言語だといい。

日本で不動産投資の電話セールスを行っているフランス人やイタリア人なんてほとんどいないだろう。

今までのところ、効果てきめんだ。

はっきり言って、日本でフランス語やイタリア語のようなマイナー言語が必要となる場面は、相当限定的だ。

現代のフランス人(イタリア人)は、大概誰でも英語がそこそこ話せるし、国際ビジネスの場ではなおさらだ。

日本語モノリンガルのセールスパーソンは、ほとんどの場合、通話相手の言語が外国語になると、一刻も早く電話を切りたがる。

せめて英語で切り返してくれば、もう少しおしゃべりを楽しんでもいいと思うが、外国語アレルギーが極めて強い人が多い。

相手が顕著にトーンダウンしてくる。

「あのう、もしもし?」

偽フランス人は再び圧をかける。

「こっちは何言ってるのかわかんないって言ってるんだから、フランス語で喋ってもらえませんかね?え?」

トーンを徐々にあげていく。

音量も最初のつぶやき声(2あたり)から9くらいまで大きくする。

ついでに、映画とかドラマで乱暴なキャラクターが使うような類の表現も、こういう時に使ってみたりする。

(現実世界ではそういう上品でないことは決してできない。)

 

ほとんどの勧誘業者は、訳の分からない言語を怖がってガチャっと電話を切ってしまう。

でも今日のセールスは、

「電波の調子が悪いようなので、切らせていただきます。」

とご丁寧だった。

プツッと遮断される直前にしつこくダメ押し。

「何を言ってるのか、全然わかんないんだよ!全然!」

もし、またこの不動産投資の電話が、電波の調子が良さそうな時にかけてきたら、

今度はモンゴル語だ!

と言っても、モンゴル語は昔ちょっとだけモンゴル人に教わっただけだ。

仕方ないので、最近ドラマの『VIVANT』を見て覚えたフレーズだけでやってやろうではないか。

でたらめに近いが、迫力があれば何とかなるだろうと思っている。