「筋肉貯金」と換金性

今冬はかつてないほど電気やガスの料金が高騰した。

そうなるだろうということは予め聞いていたから、自分にしては珍しくエネルギー節約を心がけてみた。

そして気づいたことがある。

今まで、冬季の室温は暑すぎたということだ。

それに使用していない部屋も暖房をつけたままのことが多かった。

無自覚にエネルギーを無駄にしていた...

無駄に暖房しなくなって、身体が快適になった。

要するに、暑がりなのだ。

おそらく筋肉量が多いからだと思う。

ずっと何らかのスポーツをやっていた人なら、同じように感じているかもしれない。

私の場合、この3年、走るとか泳ぐということは、ほぼ怠けてしまっている。

唯一、乗馬だけやっているが、現在の「筋肉貯金」は10数年前ごろから始まった。

周囲で「寒い...寒い...」と言っている人は、たいてい細身で筋肉量が少ない気がする。

逆に、昔からマッチョは暑苦しそうだと思っている。

私は隠れマッチョなのできっと暑苦しそうではないだろうと(自分では)思っている。

でも冬の電車や商業施設の中は、心底苦しいほど暑い。

夏の暑さもつらいが、冬の室内も同じようなものだ。

だから外出時には極力、薄着するようにしている。

カシミアのセーターなど着て出かけようものなら、汗ダラダラのサウナのようになってしまう。

そんな時、目を疑うような気持ちになるのは、東京でモンクレールなどのダウンコートを着ている人だ。

もちろんコートの中はTシャツ一枚なのかもしれないが...

でも、モンクレをさっと脱いでTシャツなのは、マッチョな若いお兄さんくらいではないだろうか?

 

この暑苦しい筋肉のおかげで、この冬はかなりエネルギー料金が抑えられた。

今まで考えたこともなかったが、結果として「筋肉」は「燃料費」だったのだ。

他にも思い当たることがある。

ちょっとした距離で、タクシーやバスに乗っている人が多いような時でも歩くのが苦にならない。

時間ギリギリの瀬戸際でも、数百メートルくらいならダッシュする。

そういえばテレビで見かけた、最近流行の筋肉養成ジムの若手経営者(マッチョ)が言っていた。

「筋肉が一番のぜいたく品なんですよ」

だからサプリメントプロテインをガンガン「課金」して筋肉を育てるそうだ。

「筋肉を売るビジネス」

究極の筋肉には高級ブランドと同等の価値があるのかもしれない。

貨幣だけに価値を置いていた過去30年の価値観は確実に変化している...

 

そんな高みを目指しているわけではない。

でも今までスポーツに「課金」した分が「筋肉」という形で貯金されたのだ、と都合よく解釈したい。

ようやく春めいてきたから、今日は軽くランニングをしようと思っている。